OTEFのスピード指数
●追記●2010/5/11 サンデーサイレンスが猛威を奮っていた頃は、スローからの上がり勝負になるレースが多すぎたために、この理論では少々太刀打ちできない苦難の時を過ごしました。 が、近年の種牡馬群雄割拠時代にあっては、バラエティーに富んだレース展開があり、そろそろ”当たるのでは”という甘い期待(笑)の元に補正係数を再計算してみました。 今回計算するに当たっては3yo以上の500万条件戦のデーターを元にしています。ザッと見たところ、このクラスのレースが1番多く行われているように思われたからです。 10年前から新装された競馬場やコース形態も多くあり、充分にデータが採れないものもありました。(未確定ということで999の数値を入れてあります) また、函館競馬場は工事に入っていて2009年度はレースが行われていませんので、今回は無視しました。(昔のデータそのままにしてある) それと、各週の馬場補正係数を求めるに当たっては、牝馬限定の未勝利戦や、2000m以上の未勝利/条件戦といった、極端にスローな展開から決着した場合やあまりにも他のレースと比べて『推定タイムとの差がある』(おおよそ2秒以上)場合は、独断で無視して計算しています。 【これが吉と出るかどうかは判らないが、新たな試みという事で】 これらのデーターを使って試算した2010年度のG1NHKマイルCの場合・・・ 指数上位から; リルダヴァル ダノンシャンティ エーシンダックマン エイシンアポロン パドトロワ ガルボ となっていて、当然人気になるであろうサンライズプリンスは9番目にしかランクされませんでした。 2着に入ったダイワバーバリアンと共に、前走が中山の芝1600mニュージランドTだった馬達の指数が軒並み低くなっていたので、 中山の芝1600mのコース補正係数が20位狂っているのかもしれない。 因みに20プラス補正すると; リルダヴァル・・・・・3着(実際のレース着順) サンライズプリンス・・4着 ダイワバーバリアン・・2着 レト・・・・・・・・・7着 ダノンシャンティ・・・1着 キョウエイアシュラ・・5着 エーシンダックマン・・最下位18着 となり、『おおっ〜〜〜!ダイワバーバリアンが拾えてる〜!』となるのだが(笑)、これに関しては、これからのデータ採り次第で補正していく事になるだろう。 【各補正係数はExcelファイルにしてあります。興味ある人はどうぞお使い下さい】 2010年度版・・・・コース別補正係数 2010年5月9日迄・・馬場補正係数 |
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1. タイム指数とは? 3年程前のこと、「最近の競馬新聞の馬柱には『スピード指数』が載っているがあれは何なのか?」 と、聞かれることがあった。 なるほど、「エイト」紙を見てみると80とか90とかの数字が馬柱と共に記入されている。 競走馬のスピードを数値で表すことができれば的中率も上がるだろうな。と以前から思っていた私は「スピード指数」という言葉に引きずり込まれていった。 ところが、これら既製のスピード指数は馬券的にはあまり役に立たなかった。 なぜなら、スピード指数の高い馬は人気のある馬の場合が多く、私の様にサラリーマンの小遣い金で馬券を買うには面白味に欠けたからだ。 しかも、的中率も低いのだからなおさらである。 私にはパドックで確実に馬を見極める眼力などない。また血統を知り尽くしているわけではない。 それなのに馬券を的中させたい…。 それならば、自分なりの「スピード指数」を作ろう!と決心した頃、たまたま、保坂陽一氏著作の「競馬大儲け「パーシャルタイム」の法則」という本に出会い、「スピード指数」の考え方の奥深さに気づかされた。 元々、私の考えではレースに勝つ馬というのは速い馬であり、その速さが数値で表されたものが「スピード指数」であるというものであった。。 そして、その指数はその馬の競走記録から計算することができる。という漠然としたものであったが、保坂氏の著作に出会ったことで開眼し方針が固まった。 だから私の「スピード指数」に対する考え方は保坂氏の考え方を骨子としている。 それはと言うと・・・ @ … スピード指数の対象となるデータは前1走もしくは前3走まで。 A … 前走の順位は指数に反映しない B … 馬の格は指数に反映しない、また人気も反映しない。 C … 競馬予想は短時間で簡単に行われるべきである。 と、言うものである。 例えば、ナリタブライアンが高松宮杯(GI)に出走してきた時、「格」から判定すれば彼に敵う馬などいるわけもない。 それに対して、フラワーパークはG2を勝ち上がったばかりの一介のオープン馬であり「格」は未知数であった。 しかしながら、結果はフラワーパークの楽勝であった。 ここで素朴な疑問がでてくる。 果たして、レースに勝つのは強いからなのか、速いからなのか? 私の見解としてほとんどのレースは速い馬が勝つと言いたい。 この「ほとんど」ということについては後で述べる。 この速さを数値化し比較することで簡単に勝ち馬を探し出す理論がタイム指数理論である。 私はこれを専門的知識を持ち得ない人、極端に言えば競馬を初めて経験する人達にも簡単に数値化できるようにした。 この指数を使うことで年間トータルプラスになるだけでなく、数本の万馬券を的中することができるのである。 この理論により多くの人々が競馬を楽しむことができれば私の幸いである。 2.「OTEF理論」について 競馬の勝敗は何に左右されるのか? スタートの良さなのか、最後の直線次第なのか。何か一定の法則のようなものがあっても良いはずである。 そこで、素人でも手に入れることができるデーター集である「レーシングファイル」を研究することにした。 そして私はある事に気づいた。 多くの勝ち馬はスタート直後には5,6番手に付け、4角手前でも好位をキープしつつそのまま差し勝っている。 中には最初から最後まで逃げ切ったり、直線の追い込みだけで勝った馬もいたが・・・。 一般的に言って、シンボリルドルフの登場以来、競馬には1つの形が出来上がったように思われる。 この「近代競馬」に大切なことは @ 馬は道中好位にいなくてはならないこと。 A 最後の直線で息切れすることなく、脚が衰えないこと の2点である。 この好位差しの競馬こそ現代の主流を占めるものである。この好位差しを数字で表すことはできないものだろうか? まず、「好位」というのは、スタートしてからの馬の位置どりのことである。スタート後4〜500mで大体の位置どりが決まり、最初のコーナーを迎える。 そしてコーナーの途中で位置どりが変わることは少ない。 ということはこの最初の500mを数字で表せれば「好位」が数字で表せることになる。 また、「差し」を数字で示すには後半の500mのタイムが解れば良さそうである。 そんな都合の良いタイムが簡単に手に入るのであろうか? それが・・・簡単に手に入るのである。(^^ゞ 前後500mのタイムは手に入らないが、「競馬ブック」や「ダービーニュース」紙には、うまい具合に、最初の3F(600m)のタイムと後半の3Fのタイムが載っている。 これを利用すれば簡単に「好位」と「差し」を数字で表現できそうである。 前半が速く後半が遅い馬は逃げ・先行馬である。反対に後半の方が速い馬は追い込み馬である。 前半も後半も速い馬は「好位差し」の競馬に一番マッチしていると言える。 そこで、多少強引だが、前後半の3Fのタイムを合計したものが十分その馬の速さを表現しているとしても良さそうである。 よって、「タイム指数」においては前・後半の3F のタイムのみを使うことにした。 ところが、ただ合計するだけでは各馬のタイムを比べることはできない。 なぜならば、同じ競馬場、同じコースを走った馬だけではないからである。 また、レースの開催日も違う。 これらを無次元化し比較できうるデータに変換しなければならない。(-_-) 元データをコース別、開催日別のデータによって変換するためにはどのようなデータを用意すれば良いのか? 先ず、参考にする元データについてだが、私の考えとしては前走のタイムにだけ着目していれば十分であると思う。 競走馬の調子というものは長続きしないものである。 藤澤調教師などの言葉では、馬のリズムは1〜1月半位とのことなので、普通のサラブレッドがその間走ることのできる前走・前前走・前々前走まで考慮に入れるべきではないか!と思われるが… 3歳の新馬などはレース初体験の時とその後では劇的な変化があるし、古馬たちは(指数を算出してみれば判るのだが…)毎レース、ほとんど同じタイム指数で走破している事が判っているので、算出の時間短縮を図る上でも前走のみで良いでしょう! したがって、1年も以前の「持ちタイム」は全然考慮しないのである。 勿論、レースはナマモノという観点からも素材は新しいにこした事は無い。 尚、私の方法だと1レース10分、12レースで2時間かかるのだが…。(単に指数を出すだけなら1レース3分あれば十分) この2時間を長いと感じるか短いと感じるかは毎週のように予想に四苦八苦している諸兄には良くおわかりであろう。 *注*・・・このOTEF指数は主に条件レースに対応するものであり、重賞、特にG1の様に各馬がけん制しあい勝負にこだわるレースには向かない。また、折り合いが非常に重要な長距離のレースなどにも適応していません。 3000mのレースにおいて最初の3Fなどは全然重要ではないからです。 もっとも相性が良いレースは未勝利や500万、900万条件の1600mや1800mのレースであり、これらは時に非常においしい馬券になります。 3. OTEF指数の計算方法 指数を算出するにあたり準備するものが以下の3つである。 @…前走の前・後3Fの走破タイムの合計 A…コース別換算補正係数 B…走破日の馬場補正係数 @ の前走の前・後の3Fのタイムは「競馬ブック」や「ダービーニュース」「日刊競馬」などの競馬新聞に掲載されているものを使う。 A のコース別換算補正係数は、コース別の難易度を示すものでありこの指数の根幹である。 B の馬場補正係数は、その馬が走破した日の馬場状態を指数化したものである。 Aは例えば「京都競馬場の2000m・芝」を走破した馬と「中山競馬場のダート1800m」を走破した馬のタイムを同じテーブルで比較しようとするものである。 私の場合、メインステージが東京競馬場であるため、そのテーブルを東京ダート1600mにしている。 メインステージが阪神競馬場の人は阪神のコースをテーブルにしてもらっていっこうに構わない。 さて、その算出法だが 同条件の勝ち馬の推定タイムを用意し比較することで算出する。 全コース算出するわけだから、レース種類の1番多い条件が望ましい。 JRAの番組をざっと見回したとき4歳上900万条件のレース数が1番多く組まれておりデータを採るのに適していると思われたのでわたしはそれを採用した。 東京ダート1600m・ダートの同条件勝ち馬推定タイム(良)は98年6月現在1分38秒0である。 また、京都芝2000mの同条件勝ち馬推定タイム(良)は2分00秒6である。 この2つについて次のような計算を試みる。 1分38秒0… 98.0秒÷16=6.125秒/100m 6.125×12=73.5秒/1200mとなり、 少々乱暴ではあるが、東京ダート1600mの勝ち馬推定タイムにおける6Fのタイムが算出される。 これは素材となる@が前後3Fの合計タイムなので6Fのタイムを算出するのである。 また、私の経験上これで良いと思える。 同様に京都2000m・芝の推定タイムから 2分00秒6… 120.6秒÷20=6.03秒/100m 6.03秒×12=72.36秒/1200m が、得られる。 この2つのタイム 73.5秒と72.36秒を比較すると 72.36−73.5=−1.14(秒)となり京都芝2000mのコースの方が東京ダート1600mより6Fで1.14秒速いと言える。 この場合、基準テーブルの東京ダート1600mを0とすれば京都2000m芝は−1.14となる。 また、中山ダート1800mの4歳上900万条件勝ち馬推定タイムは1分53秒8である。 1分53秒8… 113.8秒÷18=6.32秒/100m 6.32秒×12=75.87秒/1200m 75.87−73.5=2.37秒 したがって、中山ダート1800mの換算係数は+2.37となる。 以上、東京ダート1600m・4歳上900万条件をベースにしているが、これは私のホームグラウンドが東京競馬場である。という事が大きな理由であって、気にする必要はない。 B の走破日の馬場補正係数とは、走破日の馬場状態を数値化したものである。 一般的に、良馬場の時は(芝コースの場合)速いタイムがでやすい。し、稍重や重の時は時計が掛かりやすい。 これは馬場状態を補正し、全ての出走馬のタイム指数を良馬場扱いにしようとするものである。 競馬のデータと言うものは案外豊富にあるもので・・・レースそれぞれについての今までの勝ちタイムの平均というものがある。 これをレースの推定タイムと呼んでおり、競馬新聞に載っています。 例えば、馬場補正係数は 98年5月31日 東京・芝コース…+0.3秒 ダートコース…−0.4秒 と、いうように算出される。これは、98年5月31日の東京競馬場で行われた芝コース・ダートコースにおける推定タイムとの差(1レース平均)を表している。 +方向が時計の掛かる方向。−は時計がでる方向を表している。 さて、算出方法であるが、その日に行われた全てのレースの推定タイムと実際の走破タイムを用意しなければならない。 推定タイム自体は「競馬ブック」などの競馬新聞に載っている。しかし実際の走破タイムは自分でレースを観て書き込むか、翌日のスポーツ新聞を購入して観なければならないが、 私は毎週月曜日に発売される「週刊競馬ブック」や「ファンファーレ」「ギャロップ」などの週刊誌を買うことをお勧めする。 レース結果は整理されて見やすいし、他のコーナーを読むことも馬券を取る参考になる。 私の場合「週刊競馬ブック」を使わせてもらっている。巻末に前週の「競馬ブック」の縮小コピーが載っているので推定タイムと走破タイムの両方が簡単に手に入るからである。 さて、走破日の馬場補正係数の計算方法だが・・・。 下表はある日の東京競馬場の競走結果である。 計算方法を下に述べる。
先ず、@ABGHKのダートレースについて計算すると (−0.8−1.0−0.4−1.9−0.5−0.8)/6=−0.9 CEFIJの芝については (0.6−0.2+0.6+0.7+1.0)/5=+0.54 計算の結果、この日の馬場補正係数はダート…−0.9、芝…+0.54となる。 なお、勝ち馬推定タイムは必ず(良)のものを使うこと。仮にレースが重や不良馬場で行われたとしても(良)のものを使う。あくまでも、良補正のための係数であるから良のものを使うのである。 また、計算の簡易化をはかる上で0.1秒を1としたい。 そうすると、上の場合ダートは−9、芝は+5となる。(百分の1の位は四捨五入で良い) このデータは競馬開催日ごと、競馬場ごとに毎週計算をする必要があります。 こうして、OTEF指数を求めるための3つの材料が揃った。 それでは、具体的にOTEF指数を求めてみよう。 下表は1999年の安田記念の日に行われた『菖蒲ステークス』(競馬ブック)の馬柱表を簡略化したものである。
※注※ 数字は0.1秒を1に換算してある。また、前後3Fの合計タイムはほとんど70秒代なので7は省略してある。 さて、計算方法だが・・・ 例えば馬番@のタカノビックワンについて計算してみると・・・ 前走の前後3Fの合計タイム=57、走破日の馬場補正係数=+3、コース別換算計数=-19 である。 計算式は下のようになります。 57 - 3 -19 = 35 ・・・・いたってシンプル!(^^ゞ まず馬場補正係数を使って良馬場における平均的なタイムに補正する。@については普段よりも+3だけ時計が掛かっている日だったということで基本となる前後3Fのタイム57から3だけ引いてやるわけです。 そして、東京D1600のコースに無次元化するために19をまた引いてやる。その結果@の指数は35となる。 少々紛らわしいが・・・。(^^ゞ 結果的に数字の小さい方が速い馬だということになります。 また、このレースにはデーターの無い地方競馬の馬が2頭出走しています。がこのレースは4歳オープンのダート戦であり、まず来ないだろうという予想の元に度外視しています。 痛い目に会うこともありますが・・・常識的に言って来ないです!(^_^;) このレース・・・OTEF指数による予想は・・・FLC@の順番になりました。競馬ブックの予想からだと買えない目です。 私はBOXでこの上位4頭の組み合わせを買いましたが、オッズに合わせて買うのも良いでしょう。 で、結果は・・・C−F−Lの順番で入線 単勝C2280円、馬番C−Fは5860円でした。 また、1〜3着まで的中しており、1999年の秋から始まるワイド馬券にも十分対応していけると思います。 どうでしょうか?貴方も今週末からやってみませんか?・・・・OTEF指数!(^^ゞ 参考までに・・・1999年度版コース別換算計数をおいておきます。。
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